大島地区の竹林で、竹を伐採して運び出す人たち。大がかりな作業のようだ。
こちらでは伐採した竹をさらに細かくし、加工する。
「鼓南地区の竹林をなんとか活用したかった。地元企業の日本精蝋にロウを提供してもらって、竹灯篭ができる。これを鼓南小中学校の卒業式に使って喜んでもらおうと思った。(鼓南をよくする会の温品徹さん)」
昨年の鼓南小学校の卒業式。竹灯篭とキャンドルが照らす幻想的な雰囲気の中、卒業生たちが学び舎を巣立った。この取り組みは地元有志でつくる「鼓南をよくする会」が一昨年から始めたもので、地域にあるものを生かして子どもたちに喜んでもらおうと企画した。
作業には鼓南をよくする会のメンバーと、近隣の日本精蝋株式会社徳山工場の社員、ボランティアが加わり、卒業式にむけて100個の竹灯籠をつくる。
竹林では伐採の作業が続く。太さや節の長さなど、竹灯篭に適した竹を見つけて伐採する。竹林から運び出すだけで一苦労だ。
伐採のボランティアは「卒業式を見に行ったがとても良かった。感動する。地域で子どもを大事にしないと」と話す。
切り出した竹の断面を手作業で整える。
日本精蝋の社員は「結構力仕事で大変。素敵で特色ある卒業式をみんなで作り上げていけたら」と話す。
一昨年の1月。鼓南小中学校の児童と生徒たちが集まって、卒業式に向けて竹灯籠にロウソクを取り付ける作業と、キャンドルづくりに取り組んだ。
日本精蝋株式会社徳山工場がロウを提供し、大人たちの指導で子どもたちが手作業で完成させた。
昼食は大島地区でとれたナメコがたっぷり入った豚汁。粭島で食堂を営む温品さんと主婦たちが腕を振るった。これまでの卒業生からは喜びの声が届いている。温品さんは「卒業生が手紙をくれる。地域の人が卒業式を作ってくれて嬉しかったと。やった甲斐があるし、続けていかたら」と笑みを見せた。
今月中に鼓南小学校の児童たちが手伝って仕上げの作業が行われる。
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