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《ふれあいの森なんでも工房 世話人代表 村田真博さん》

周南市須々万315号線沿い、6万坪を誇る市所有の森林公園を目指す。ポールを目印に、木漏れ日溢れる森を抜けると一気に開け広場につながった。目に飛び込むのはその先のログハウスと斜面の木製アスレチック。対面にはテーブルと椅子が並びピザ釜まで!木々の葉音と鳥の声と村田さんの笑顔に、一瞬で童心に返った。

20年ほど前、森で管理が行き届かず荒れていたキャンプ場を活用し「元気な子ども・元気な大人を育む森」をコンセプトに、3世代の交流拠点作りに取り組み始めたのが村田さんだ。

現在、村田さん率いるボランティアは30人。延べでは1万5千人。建設には、資材寄付と市民からの寄付金や補助金を活用した。利用料は無料だが「心づくし」として1人200円を自由に賽銭箱へ入れるシステムで、「ケガと材料は自分もち」が唯一のルールというユニークさ。利用者は15万人を数え、全国的にも珍しい施設に成長した。村田さんには講演依頼も舞い込むという。

熊本に生まれ、高校卒業後に出光興産に入社し徳山製油所配属となり周南へ来た。家庭を持ち須々万に家を構えた。定年後の生き方を考え始めた55歳の時、国の活動を勉強する中、学校週5日制の導入による土日の子どもの過ごし方、子ども達が将来に夢がない現状を知り、懸念を抱いた。昔のように子どもがお年寄りに知恵を授かる場があれば、子どもは育ち、高齢者の生き甲斐の両立が叶うのでは?との想いになった矢先、近所にこの森があることを知る。“社会のニーズ”、職場で培った出光佐三店主の“会社は人が作る”との教え、とある大臣の“命を懸けて取り組む”との言葉がヒントになり、活用を閃いた。奥様が案に賛成してくれ、故郷に帰らず須々万に住むことを決心。ご家族や多くの仲間の支えもあり、セカンドライフを全てこの活動に捧げてきた。

ご自身のことを「肥後もっこす」(山口弁で「へんくうたれ」)、「よそ者・ばか者・のぼせ者」と例え謙遜されるが、生涯現役を志す村田さんには理屈抜きでやり抜く血が流れている。

地域にある森という資源を生かし、持てる“力”を存分に発揮してきた姿勢とお仲間の協力、その底力に頭が下がる。初志貫徹、永年取り組んで来られたマンパワーこそ、本当の地域の資源だ。

トレードマークのキャップを手に取り「これほど忙しく幸せな年金生活者はいない」と元気に語る眼差しは、少年のようだった。

(文:恵雅子  写真:林義明)