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《バドミントンチーム ACT SAIKYO》

真夏のある日、張り詰めた空間に鋭いシャトル音が続く。栗屋にある練習拠点は、コート床や壁や天井、また照明に至るまでの全てがバトミントンの為に設計されたトップチームも羨むほどの専用アリーナ。ここに大会出場を控えた高校生や大学生と練習試合する選手やイヤホンを耳に筋トレに励む選手も集う。時折声を掛け合い、ほころぶ額に汗が光った。ふと見れば、傍の柱にカラフルな掃除当番表があった。丸い文字でニックネーム書きされていて、何とも微笑ましくなった。

2010年、翌年の山口国体で成年女子上位入賞を目標に創部されたACT SAIKYO。「Active Communication Trend」の略で「時代を先取りし、地域とのコミュニケーションを大切にしながら活動していく」の意味を持ち「山口県をバドミントン王国に!」が合言葉。現所属選手10名はジュニア時代から同じチームや全国大会で対戦してきた仲間たちで、選手を支える監督やコーチ陣も実績が伴った錚々たる顔ぶれである。西京銀行の行員として仕事と並行した練習は4~6時間を週6日で、休日は日曜日のみ。その間、地方や海外遠征にもチャレンジしている。寮で寝食を共にし、公私ともお互いを知り尽くす。

チームの勢いは凄まじい。創部から一気に駆け上がり、5年目には1部リーグに昇格。国内トップリーグであるS/Jリーグ出場を果たした。2021年の日本B代表選手が2名。「リーグAクラス入りを目指す」と言い切るキャプテンに間髪入れず「やってくれますよ」と監督。歯切れの良いやり取りこそ、強い信頼関係そのもの。チームとして国内の頂点を目指しつつ、地域では競技の普及とレベルの向上や地域スポーツの発展に向けた様々な活動に取り組み、後進の指導に励んでいる。地元での人気度は抜群でバドミントン教室は毎回盛況。子供たちの憧れの的となり、1人ひとりの存在感が増している。

ほとんどの選手は山口県に縁がない。コロナの為に帰省せずバドミントン一色の生活を送り、たまのオフ日は山口散策が楽しみで、1番人気は周南工場夜景と聞く。この周南を第2の故郷として好きになってもらえたら嬉しい。これまでの勢いそのままに、国内リーグの頂を掴んで欲しい。そして、周南から世界に向けた道筋も切り開いて欲しいものだ。

ラケットを握った途端、親しみやすく可愛い彼女たちの表情が引き締まる。その眩しい笑顔が焼き付いている。

(文:恵雅子  写真:林義明)