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《株式会社ライブライズ 代表取締役 兵頭尚吾さん》

ホール入り口まで至るところに所狭しと貼られたポスター。書き込まれたサインに紛れ「大好き山口!大好きひょーさん!」の文字があった。

14年前、PH通りに『LIVE rise SHUNAN』を作った。店名社名共通の「ライズ」には上昇の意味があり、「周南市やライブを盛り上げる!」の想いを宿した。

そして6年前、ライズの進行形『RISING HALL』を銀南街に作る。きらら博記念公園で開催される中国地方最大規模の野外音楽イベント『ワイルドバンチフェス』出演アーティストが立てるステージを周南にと、収容人数は県内最大級550人。永年市民に愛され閉館した映画館を使い、敢えて遺した2階の座席が粋で音響や照明ほか細部まで、兵頭さんの経験から計算し尽くされたホール。

2店合計の出演アーティスト月平均組数や稼働率は、県内トップクラス。オーディエンスからの信頼も厚く、地元TVやFMでも番組を続けるなど山口のライブシーンを牽引している。

出身は愛媛。進学で上京した18歳の夏、ライブハウスのアルバイトをきっかけに入社。23歳で店長になり、結婚を機に周南へ来たのが14年前。ロックバンドが集えるライブハウスが無く「無いなら作ればいい」と踏み切った。「知り合いもいない中、根拠のない自信で進んできた」と当時を振り返る。

以来「世の中に咲かずにいるアーティストに、何かしてあげたい」とバックステージに耳を傾けてきた。紅白出場や誰もが口ずさめる曲のアーティストともバンド結成当時から向き合い、今も連絡が入る。

コロナ禍で大打撃のライブエンタテインメント業界。今、決して採算の取れるものではないと聞くが「自粛中に社員一人一人のスペックが上がり、できることが増えた」と前向き。昨秋には、発表の場を失った団体や子ども達の為のイベント実行の指揮を取った。

「出来上がった好きなアーティストだけを観に行くライブやコンサートもいいが、ライブハウスに種を見つけに来て。僕たちと一緒に成長を見ましょう」

咲きゆく花を種から見てきたからこその言葉。慕われる所以だ。

成長を見守り成功を見届ける眼差しには、遊び心と愛がある。

ここには、音楽を心と心のつながりで捉えるからこそ生まれる生きた空間と感動がある。

「ダイヤの原石を見つける場所。ライブハウスをやってて良かった。今後ここを継承し、小っちゃいかデカいライブハウスを作りたい。rise15周年企画も既に動いてますよ」と自らの新たなステージに向け、目を輝かしている。

(文:恵雅子  写真:林義明)