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《児玉源太郎顕彰会 会長 山下武右さん》

児玉源太郎を語るとき、明治の偉人・軍人・政治家・類稀な戦略家・教育者、など様々に表現される。それだけ児玉源太郎に魅力があり、功績の裏には、心の通った独自の施策があるのだと思う。

徳山(現周南市)出身児玉源太郎の没後110年、功績や存在を明らかにし、次世代にどう伝えるかを目的に2016年6月9日に発足した児玉源太郎顕彰会長2代目の山下さんは児玉源太郎を「隣人愛」「愛国心」「郷土愛」と表現する。

児玉源太郎は、江戸時代に徳山藩士の子に生まれた。発起人のうち山下さんは藩医の家系、元徳山市長の小川亮さんは学者の家系、黒神公直さんは藩から加護があった遠石八幡宮名誉宮司で、皆さんの祖先は徳山藩に代々の縁があり児玉家とも繋がりがあった。それだけに、顕彰する会を作りたい想いは一つで、発足自体はスムーズだったという。切り札となったのは、現在児玉源太郎生誕の地として開園された生家跡。産湯の井戸もあるこの土地の所有者の周南市への寄贈と整備が契機になった。

現在、会員は全国400人以上。児玉源太郎に魅了されている方のネットワークであっという間に集まった。活動は会報「藤園」発行や年2回発行の「本丁通信」。児玉源太郎の命日である7月24日を「藤園忌」とし児玉神社での命日祭、児玉家菩提寺の墓前供養。茶会や俳句募集もある。会報は立派な60ページに及ぶ冊子で、中には会員の皆さんによる随筆が並び、写真も分かりやすく配置され、読み応えがある。「児玉源太郎の本質をたくさんの皆さんに知っていただきたい」と2年がかりで55歳の生涯を3つの構成でまとめたDVDは、周南市内はもとより、全国の中央図書館や国会図書館にも贈呈。分かりやすい、見やすい、と評判は上々。全国からの問い合わせもあったと聞く。

今年は、児玉源太郎を祀る児玉神社遷座100年。それに合わせ奉賛会を立ち上げ、改修。現在の周南市の発展を紐解けば、児玉源太郎による海軍煉炭製造所の誘致の後に海軍燃料廠となり国際貿易港として開港に繋がり、戦後は跡地にコンビナートが形成された歴史がある。「家訓である下支えの立場で」と山下さん。祖父は、神社創建にも開港にも汗を流した1人だそう。

「いつか児玉神社の境内に児玉源太郎記念館を作り、徳山を訪れた人にも市民にも憩いの場を作りたい」歴史に身を置く山下さんは、代々の血を受け継ぎ、児玉源太郎の魅力を後世に伝える道を歩む。

(文:恵雅子 写真:林義明)