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《高瀬の旬をクイーン祭 実行委員長 山根寛さん》

市街地から北へ車で30分。周南市和田に入る手前の高瀬。ここは広島カープのエースだった故津田恒美投手のふるさとで、アクロバティックな三作神楽が国の重要無形文化財の和田地区の中にある。タケノコや山菜や茶など、自然や食も豊か。食に欠かせない水は、山から湧き出て市内の産業を支える島地川になる。貯水の為のダムは、世界初の工法で作られた特徴的な形で、ダムファンには堪らない萌えスポット。

そんな高瀬で約30年前から食がテーマのイベント。クイーン祭とは、「食べなさい・召し上がれ」の山口弁である「食べんさい」の食をもう一つの訓読み「食う」から派生した「食いんさい」の洒落と、竹が多いこの地で「竹取物語」かぐや姫の姫からクイーンを掛けたもの。毎年4月の第3日曜日の開催を楽しみにする根強いファンが多く、市外から訪れる人もいて毎回大盛況。ところが、2019年の新型コロナ発生以降、食に関するイベントということで2年間休止。今年は食を提供せずマルシェの形で復活。委員長も新しく選出された。

祭で元々食ブースに関わっていた山根さん。料理人として飲食店で腕を振るっていたことを知る三作神楽保存会佐藤会長の推薦で委員長に。「片手で食べられるグルメを作ろう」と、津田投手の好物「ちくわ」に高瀬蒟蒻を詰めて揚げた「ちくわだ」の開発や、島地川ダムカレーも作り、祭の名物として人気を集めた。ダムの特徴を模してあり、ライスには高瀬茶粉末を混ぜ込み、具だくさんのルー。「子どもからお年寄りまで食べやすい味に仕上げました」と山根さん。和田の空気に包まれ、また食のイベントが行える日がくることを願いたい。

顎に蓄えた髭と、穏やかな雰囲気を合わせ持つ山根さん。結婚を機に和田地区から離れ市街地に住み、現在は3児のパパとして仕事と育児に専念しつつ、子供の頃から関わっている神楽の事務局として佐藤会長を手助け。7年毎の式年祭は来年秋。それに向けた体力づくりも開始。「和田には子供たちに伝えたい魅力がたくさんある。自然の中で遊ぶ・学ぶ。地域への恩返し、伝統継承。次世代に繋ぎ残したい。この地に住むだけでなく通い後継者でも地域を支えられるんじゃないかと。長男は前回の式年祭の時に生まれたご縁もあるので、そろそろ神楽の練習を一緒に行けたらいいなと思います」

人生のステージの変化と共にふるさとや地域への関わり方がある。山根さんらしく地域を発信して欲しい。

(文:恵雅子 写真:林義明)