自然に囲まれた周南市金峰中原にある「五峰窯」。この窯の作品は釉薬を使わず、窯の中を1300度の高温にすることで自然に発生する灰を使って模様を出す「自然釉」を特徴としています。窯元で陶芸家の五郎丸さんにお話しを伺いました。五郎丸さんによると、窯の名前は自身の名字から一文字、そしてこの地域の名前の「金峰」から一文字取り、さらに読み方を山口県で沢山・一杯という意味を持つ方言の「ごっぽう」に合わせたとのこと。そして縁起の良い窯の名前は気に入っているけれども、窯に火を入れると最低でも1週間は窯焚きをしないとならない為、一人で作業を行うことは出来ず、また燃料の松の木の確保も大変なのだ、とも話されていました。けれどそんな時は教室のメンバーや地元の人々が手伝ってくれるそうで、地元であるこの場所に窯を作って本当に良かった、と思われるのだとか。また窯を開けてみるまで、どのような作品になるかわからないのが陶芸の魅力で300点近く窯に作品を入れても上手くいくのは半分くらいだと五郎丸さんは語ります。そこで奥深い陶芸の世界を私も少しのぞかせてもらいましたが…陶芸用の土をこねる「菊練り」という作業だけでも大変だということが分かりました。(なんでも菊練り3年、なんて言葉もあるそうですね)そんな五峰窯では、毎週水曜日と土曜日の9時30分から陶芸教室を開催しています。また10月25日~28日までの期間は周南市の旧市長公舎で「窯ぐれ四人展・自然釉が織り成す神秘な世界」も開催されます。土塊を炊き続けて1週間。炎と灰と風が刻んだ芸術を1週間かけてゆっくり冷まし、そして選ばれた「焼き物」だということです。
(井上華織)
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五峰窯
【場所】周南市大字金峰2723
【お問合せ】TEL080-1908-0729
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