日ごろの練習成果を披露する子どもと大人たち。市民センターとくやまで、毎月第2木曜日と第4木曜日に開かれているのが周南けん玉教室。
けん玉を身近な趣味として楽しもうと、小学生から大人まで15人が通う。
指導するのは日本けん玉協会山口支部副支部長の山本まりさん。息子がけん玉を始めたことをきっかけに、その魅力を普及させようと自身も腕を磨いて教室を始めた。山本さんは「基本は昔遊び。楽しく長く続けてもらいたい」と丁寧な指導を心がける。
練習は今一番チャレンジしたい技を発表したり、音楽に合わせて回数を競うなど様々で、和やかな雰囲気。特に音楽に合わせた練習は、リズム感や安定感を磨くのに欠かせない。得意な技は人それぞれ。難しい技にチャレンジするからこそ、大きな達成感がある。上達すれば日本けん玉協会から段位が認定され、自信につながる。
「灯台」を自慢げに披露するお年寄りは「この技ができるようになるまでやろう!」と始めたきっかけを嬉しそうに語る。
来月3日には新南陽総合福祉センターで「山口県けん玉フェスティバル」が開かれる予定で、周南けん玉教室の子どもたちも出場する。技の成功回数や、時間内でノーミスを競うなど、全5種目に挑戦。山口県内のけん玉好きな人なら誰でも参加でき、6月18日に広島市で開かれる全国大会予選の前哨戦となる。
大会に出場する小学5年生の梅本絢実さんは、けん玉準初段。得意技は「地球回し」。「技一つ一つを意識して成功させるのが目標。技が決まった時が楽しい」と話す。
同じく大会に出場する小学3年生の重高駿くんは、けん玉5段。大会で何としても決めたい技が「宇宙遊泳」。「目標はベスト8。難しい技がきまった時が嬉しい」と話す。けん玉を続けることで、子どもたちの成長にも変化がある。
重高くんの母は「前向きな姿勢がどんどん付いてきた」と我が子の成長が微笑ましい様子。指導者の山本さんは「勝ち負け以上に色んなことが得られる。挑戦する勇気と自信。見届けていきたい」と期待を寄せた。けん玉は別名「けん玉道」とも呼ばれ、芸道、武道の精神を養うものでもあるという。果敢にチャレンジする子どもたちにとって、単なる趣味を超えた特別な時間かもしれない。
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