海を渡る神輿で知られる粭島の貴船神社夏祭り。４年ぶりの開催に向け、準備が進んでいる。粭島はトラフグ漁を中心とする漁師町として成り立ってきた。今から３００年以上前に、海の安全と大漁を祈願して始まったのが島の神を祭る貴船神社の夏祭り。島民たちでつくる宮総代会のメンバーが守り続けてきた伝統行事。伝馬船は神輿を先導しながら舞や歌を披露する祭りの花形。神輿と伝馬船がそろう姿が名物だったが、人手不足や船の老朽化、それに新型コロナウイルスの影響もあって出せない年が続いていた。祭りは４年ぶり、伝馬船の復活は６年ぶり。製造から７０年が経ち、水漏れがひどい船体をなんとか維持しようと、大がかりな修理作業が行われた。大島地区で船の修理を手掛ける知花盛宏さんらが、FRP繊維強化プラスチックを張って浸水を防ぎ、船の防水性と強度を高める。伝馬船は祭りが始まると４時間以上陸に上がれず、安全性の確保が不可欠。長さ１２メートル、幅２メートルの船体を慎重に修理した。修理は今月末に終わる予定で、そのあとは宮総代会のメンバーが船体の化粧を行う。粭島の貴船神社夏祭りは、７月２３日日曜日に行われる。

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