2021年5月に漁師自らが設立した魚介専門の会社、合同会社大兵食品。周南、下松、光の14名の漁業者が獲ったハモやタコを加工し、販売までを行う。更に今年の3月には晴海町の水産物市場内に自前の加工場を市や県の補助を受け、完成させた。
代表社員の原将明さんにお話しを伺った。会社設立にあたって原さんは、「漁業を取り巻く環境が年々厳しさを増す中、生産者である自分たちが流通経路を確立し、漁業を更に魅力ある職種にしていこう」と考えた。
その為に「6次産業化への取り組みを行い、後継者の確保・育成、漁業者の収入の安定や周南地域で水揚げされるハモ、タコの価格の安定、更には地域全体を子ども食堂の支援などで盛り上げていきたい」と話す。
主に「しゅうなんブランド」として認定されている「周防はも」、「周南たこ」を使った加工品は、「漁業のプロでもある自分たちは、水産加工のプロでもありたい」と強く願う心から、メニューや加工にもこだわりを持った。
例えば、朝早く徳山港から帰ってきた漁船から新鮮な魚を受け取り、加工場ですぐに加工、そして急速冷凍することで1年中、美味しいまま食材を提供できるようにしている他、湯引きにして食べがちなハモは小さな子供でも好んで食べることが出来るように、とハモカツに調理した。
また、加工時の切れ端、未利用部位を活用した「食品ロス」の削減にもつながる食品開発も考えている。
そのようなこだわりが2022年には山口県水産加工品展で評価され、大兵食品の“漁師考案”周南産釣りハモフライと真だこ唐揚セットは山口県漁業協同組合長賞も受賞した。
原さんは「更にハモはまだ色々な食べ方ができると思うので新しい商品を開発していきたい。それにより周南の魚の美味しさを県内のみならず、県外にも発信していきたい」と意気込む。合同会社大兵食品の商品は道の駅ソレーネ周南、周南・光のアルク全店などで購入することが可能。
(井上華織)
合同会社 大兵食品
【場所】周南市晴海町4-3-3
【電話】090-3436-6687
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